こいべた

 



「…じゃあ、ここなので。」


そうこうしてるうちに家に着いてしまった。

いつもより早く着いた気がする。


…もっと一緒にいたい。


って、何考えてるんだろ私。


「あっ、じゃあこれ。」


そう言って、保坂くんは私の学生カバンを差し出した。


「あ…ありがとう。」


自分の学生カバンを手にした瞬間、ガクッと落としそうになった。

重い。

あっ、そう言えば今日は5教科だった。


「大丈夫?」


こんな重いのを片手でもってたなんて。

保坂くんってすごいなぁ。


「うん。大丈夫だよ。」

「そっか、じゃあまた明日ね。」

「あっ、ばいばい。」


保坂くんに手をふると、保坂くんも嬉しそうに手をふってくれた。

嬉しい。

幸せ。