話せる友達はいるけど、結のような友達はいない。
だからか、結は私の大切な人だ。
そんな結には彼氏を作らせた事はない。
それを結は、自分にいいところがないと勘違いしている。
私にはわかる。
逆に結のわからない所の方が少ないだろう。
そんな結が片思いをしている。
前から好きという好きな人がいない結には、珍しいそのものだった。
保坂一夜。
野球部のエースでみんなからの信頼はあついクラスの中心人物ともいえる彼こそが結の片思い相手だ。
そんな彼も、いつしかは私に相談をしてきていたりもする。
結が好きという相談を…。
初めて相談を受けた時を思い出す。
―――――――……。
「えぇ!あんたが!?」
あの、保坂が結を!?
隣の席って言う接点しかないのに?
「うるさいうるさい、誰かに聞こえたらどうすんだよ。」
「大丈夫よ。結は今、先生に頼まれたプリント運び手伝ってるとこだから。いないから。」
「知ってるよ!」
