こいべた

 



でも、感謝だよね。

短い間だったけど、恋を教えてくれてさ。
また好きな人できるかな?

そう簡単に諦めて忘れる事ができないと思う。

…何だか、悪いよね。

本当に1人で浮かれて恥ずかしいよ。


マイナス思考はやめよう。

私は親友として、美香子を応援する。
それで、憧れと保坂くんも応援する。


うん、これでいいんだ。

きっと、すぐにはこの気持ちは消えないとは思うけど。

それって、初めてだからだよね。

初恋だもん、仕方ないよね。

ごめんね、美香子。



ドカッ!


「えっ…?」

図書室のドアに保坂くんが寄りかかっていた。

「はぁはぁはぁ…。」

走ってきたのだろう、息の切らした声と疲れたであろう体の様子で読み取れた。