「あっ！あれって保坂じゃね！？」
「あいつ、２年でレギュラー入りだろ？」
「けっこう、努力してんだろーな。」
きっと、私と美香子みたいに野球を見に来た人達だろう。
やっぱり保坂くんってすごい。
本当に尊敬しちゃうよ。
グランドの中央には保坂くんがたっていた。
「延長戦だってよ…。」
隣の美香子が口をあけた。
なんだか、こっちまで緊張する。
きっと、保坂くんは今辛いだろうな。
「あっ…。」
保坂くんがキャッチャーに頷く、大きく振りかぶって投げた…。
すごいスピードの球は、あの細い腕をもってる保坂くんが投げたとは思えないほどきれいだった。
投げた保坂くんが輝いて見えて、その瞬間心臓がドキッと揺れた気がした。
カキーン！
きれいな音と共に、保坂くんが投げた球が飛んだ。
