こいべた

 



「早くものにしないと、誰かにとられちゃうよ!?」

「も…ものって…」


そんな彼だからこそ、ライバルは多い。

私なんて、私なんて…。


「自信もちなさい。」

「お…おかあさま!?」


美香子は何だかお母さんのように思える存在でもある。

最近気づいた知識。


「そう、私はおかあさま!おかあさまの言う事は絶対よ。」

「はい。…頑張ります。」

「うむ。」


だけど…私には自信なんて全くない。

あるわけがない。

美香子のように美人でなければ、可愛くもないし。

自信なんてもってのほかだ。

無謀な挑戦というわけだ。

あぁ、むなしいよ。

自分は本当に無力なんだなぁ、と感じる。

できれば、なにか1つでも自慢できるいいところがあれば話は別なんだけど。