こいべた

 



「言い訳になるかもしれないけどさ。緊張しちゃって…うまく話せないし、目も合わせられないしさ。」


「言い訳じゃん。」

「えっ。」

「完全に言い訳だよ。」


俺の言った事って…言い訳か。


「私はね、あんたを応援してるの。」

「…うん。」

「理由は、あんたなら結を任せてもいいって思えたから。」

「あぁ。」

「でもさ、あんた…保坂が捕まえるんだよ?私が捕まえるんじゃないのよ?」


わかってる。

わかってるけど…。


「頑張らなくちゃ、誰かにとられちゃうよ?」


ガタッ!


「いってー!」


勢いよく立ったせいか、机に足をぶつけた。
けっこう、痛い。

「そんだけ、好きなんでしょ?」

「…。」

「動揺するほど好きなんでしょ?」