「電話です! 電話かけましょう、常盤さん。もうちょっとあっちで」

美月が常盤さんを引きずって行く。

こういう時のあんたって、破壊的に行動力あるわね。


「わたし、美月のサポートしてくる」

亜由美が後を追った。


「志鶴、僕を見て」

圭吾さんに強く言われて、わたしはノロノロと目を上げた。

「今、生霊の力が弱くなるから、同調した気持ちを外して」

「どうやって?」

「僕の方へ来ればいいだけだよ。いい?」

よく分かんない

「僕には君が必要なんだよ。分かるね? 君じゃなきゃダメなんだ」

でも、いつもうまくいかないの

「優月は、僕を司の身代わりとして愛した。僕自身じゃなくて」

そうなの? ああ、かわいそうに


わたしは両手を伸ばして圭吾さんの首に抱きついた。

「わたしがいるわ。ずっと一緒にいる」

大好きよ


「君だってそうだ。君は僕が身内だって理由で愛してる。望んでも持てなかった兄弟の代わりに僕を愛してる。僕が本当に好きなわけじゃない」

「そんな事ない。本当に大好きよ」