わたしも仕方なくみんなと一緒に歩き出したけど、後ろがどうしても気になる。

「ほら、志鶴。わたし達がいたって邪魔になるだけだから」

亜由美にそう言われて、わたしはワッと泣き出した。

「何? 何? わたし、何か悪い事言った?」


ううん そうじゃない


「わ……わたし、美幸みたいだったらよかったのに。圭吾さんがお仕事するのに、何の役にもたたない。おまけに心配ばかりかけて」

情けなくも鼻水をすする。

「黙って家にいればよかった。もう出かけたりしない」


「ああもう、極端なんだから」

亜由美はティッシュを取り出した。

「ほら、鼻かんで。女子高生が情けないわね。元気出して。仕事の助けにはならないかもしれないけど、圭吾さんにはあんたが必要なのよ」


「それだって違う。け……圭吾さんが本当に必要だったのは別の人だもん。わたしじゃなくたっていいのよ」

何だろう?

どうしてわたし、こんなネガティブな事ばかり言っているの?


「志鶴?」

美幸がわたしの顔を両手で挟んだ。

「こっち見て。わたしの目、見て――憑依かな? 違う……同調してる。亜由美、戻って圭吾さんを呼んできて! 志鶴が生霊に心を引っ張られてる!」