好きになってごめん

あたしが笑うと彼女も笑ってくれて、二人で仲良く笑いあった。


「………そろそろ戻ろっか」


「うん。そうだね」


あたしがそう言うと、彼女は先に屋上を出て階段を降りて行く。


ふと、あたしはアイツのことを思い出した。


………そう言えば、アイツの前で好きな人の話をしたような……。


あたしはアイツの方を見ると、


「………帰り、楽しみにしてるから」


と、意地悪な笑みを浮かべて屋上を出ていった。


「………嘘でしょ…?」


絶対、あたしの好きな人を聞き出すつもりだ。


「………嫌ぁぁぁぁあ!!!」


あたしは誰もいない屋上で、一人叫んでいた。