「あっそ!遅れるから、先行くね!!」


本当は時間にはかなり余裕があったし、今の行動はかなり不自然だった。


でも、赤くなった顔を見られる訳にはいかなくて。


あたしは走り出すと学校に向かって一気に走り出した。


「ちょ、待てよ!!」


そう言ってアイツも追いかけてくる。


もう〜!追いかけてこないでよっ!!


あたしの顔を見られたら、終わりなんだから。


「待てって!」


精一杯ダッシュしたはずなのに、簡単にアイツに追い付かれてしまった。


「〜〜〜!なによ!」


アイツに捕まれた手を振りほどいて、あたしは下を見る。


強気な態度を取ってはいるけど、一向に引かない顔の赤みを隠すのに必死だった。


「なんでこっち見ないんだよ……」