定番の大きな円の花火から、ハートや、星、Peaceマーク等、様々な形の花火が色とりどり打ち上げられ、散っていく。

その度に歓声が上がり、特に珍しい形や、もの凄く大きな花火になると拍手喝采だ。


(凄く綺麗…)

あたしも感動をしていた一人だったが、突然胸の奥にじわりと痛みが走った。


今、こうしてケータと花火を見ている。仲良く肩を並べて。

けれども、いつか…もしかしたら来年、もう隣には居ないのかも知れない。

ケータはアメリカへ留学する。まだ日程は決まって無いけれど、いつか行ってしまうには違いない。


ものすごく、胸が締め付けられる思いだ。

大好きな人と離れて暮らす事。

心が離れる訳じゃないのに、悲しみが全身を襲う。

当たり前の様にケータに会える日が無くなる。

当たり前の様に声が聞ける日が無くなる。


あたしは隣に居られない。


応援するべき所なのに、素直に笑えない自分が居る。

ケータは、あたしと離れて暮らす事に寂しさを感じ無いんだろうか。

感じるなら、行けないだろう。


寂しさとは別に、夢を叶える事が先決なのだから。