午後18時。

あたりは段々薄暗くなり、街の明かりが輝いてくる。

出店が集う騒がしいこの場所は、そんな夜の闇を感じさせない盛り上がりを見せていた。

「花火もうすぐスタートだね〜」

あたしとケータは屋台で焼きそばと串焼き、ビールを買い、花火を見る為の場所取りをした。


「ここにしよっか」

すでに人でいっぱいの河原の小さな一カ所。そこに腰を下ろして二人並んだ。



回りを見渡せば、カップルや家族、友達同士など、老若男女が犇めきあっている。

「凄ぇ人。花火見る為なんだなぁ〜コレ。」

ケータはビール片手に随分気持ちよさそうだ。

蒸し暑い日本の夏を、川の流水音が涼しさ感じさせてくれる。

「俺もいつかギターで、こんな大勢の人間に注目されたいな。」

ケータはまるで、目の前の川も越え、更に海を越えた先を見つめるように遠い目をした。