あたしは彼氏と趣味の話で盛り上がれない以外にも、悩み事があった。


嘘をついて、女の子と遊んだり連絡とったり。

「浮気」とまではいかないが、女の子と連絡をとられるのはもちろん嫌だし、それが職場の子で同期で仲良くなった子なら、隠さず連絡を取ってる事を教えて欲しかった。

やましい事は無いはずだから。

あたしは以前の彼ともそういった事が原因で別れている。

それを知っていて相談にのってたのが、今の彼氏。

あんなに「俺なら絶対嘘つかない」と言っていたのに…

所詮、男とはそういう生き物だ。

馴れ合いが生じて、女と連絡を取りたがる。
こっちは必死にいつまでも新鮮さを保とうと頑張っているのに…

男はどうして馴れ合いを好むんだろう。

挙句に他の女に目がいくんだ。


嘘がバレて、あたしが責めれば彼は「逆ギレ」をする。

誤魔化しに入り、あたしは怒っているのすらバカバカしくなる。

喧嘩はそれで終了するものの、あたしにはシコリが溜まりっぱなし。


そういった不満は日々大きくなり、気がつけばケータに話す自分が居た。


ケータは話を聞くたびに、怒った口調で答えてくる。

「なんか、嘘って何?俺、マジ嘘嫌い。」
大きな溜め息が聞こえる。

「あたしだって、嫌だよ。やましくないなら言ってくれればいいのに。隠すからあたしが不安になるんじゃん。結局バレるくらいなら最初から言えよって思う。」

「でも、エーコちゃんは彼氏を信じてるんだろ?だから付き合ってるんだろ?」

確信をつかれた気分だ。あたしはとても迷いが生じる。



「好きだよ、だから苦しいの。嘘とか、逆ギレされたり、音楽の話で盛り上がれなかったり。でも、もっと好きな人が現われて、あたしをさらってくれたら嬉しいなって思う自分がいるの。」