21時。

『スノークヴィレッジ、閉店のお時間となりました。またのご来店を心よりお待ち申し上げます。なお、映画館、飲食店街は深夜0時まで営業しております。駐車場のご案内…』と館内アナウンスが流れた。


この店は、スーサイドモールの本館では無く、モール館にある。


スーサイドモールのテーマとしては、まるで外で買い物をしている雰囲気を出す事。

他の大型モールと違い、本館とは別に、開放感たっぷりのモール館がある。屋根も何もない外に、路面店のように店が並んでいる。


そんなモール館の、立ち並ぶ店の中に、チェルシーはあった。


しかも、何故かこの一箇所だけが、ずっと立ち並ぶ店から少し奥まった所に配置している。


立地条件は、非常に悪い。


しかし、今からするような『お楽しみ』には持ってこいだ。


室内にある、本館の店舗と違い、各々の店が別個な為、一つ一つの店に入口がある。

その為、ドアを閉め、鍵をかけてしまえば、すっかり外の世界から孤立出来る。


閉店後に電気がついてたって、残業していると思われるから、巡回警備員に怯える事もない。


かといって、こんな事をするのは初めてだ。