「付き合う前からとかびっくりだし!なんで?あたしなんて家庭的じゃ無いのに」


恥ずかしさをごまかす。

『い〜の!エーコが好きなの!ミュージックベイベ!』




ケータは何度も、何度も、『ミュージックベイベ』とあたしに甘えるように言ってきた。





本当に嬉しかったんだ。



普段から軽々しく「結婚」とか言う人いるけれど、ケータは違う。



普段、口にしないからこそ『重み』ある言葉。



しかも、あたし本人じゃなく友達に言っていた…







『エーコは俺のお嫁さん』









この時は、ただ純粋に嬉しかった。



まさかこの言葉が…



この先、抹消されるなんて…