「莉奈おはよぉーっ☆」
「あっ、ぉはよ☆」
私は桃桜学園という普通の高校に通う、普通の高校生。
「んで、莉奈サンッ!今日は大好きな石田先生には会えたのカナ??」
「ぃやー、まだ会ってないょーっ早く会いたいー!!」
そう、担任の石田先生のことが本気ですきだってこと以外は・・・
「おい、みんな席つけー!」
「お☆莉奈サンの大好きな石田先生の登場ですよ~!!」
さっきからやたらと先生のことに突っ込んでくるこの子。
友達の山本愛利。小学校からずっと一緒の親友☆
「きゃー!ほんとだっ!!かっこい~!」
わざと聞こえるように言う。本気ってばれたくないから。
「莉奈ぁ~、智希クンに聞こえても知らないよぉ~?」
「・・・もう聞こえてるっつぅの。」
智希ってゆーのは今の彼氏。
先生をすきだって思わないように高校に入って、色んな人と付き合ってきた。
そのうちの1人。
「あぁーっごめんって!!1番は智希だからっ☆」
なぁーんて嘘言ったり。
「ほんとかよ?まぁいーや。それより「いい加減静かにしろ!」
先生が怒鳴った。
『ごめん、またあとで。』
智希が小声で言った。
『うんっ』
「橋本!相原!お前らいつまでしゃべってんだ!ったく・・・仲いいんだから・・・よし!出席とるぞ!」
「ラブラブなんでぇーっ☆ごめんなさぁーい!」
「莉奈うらやましぃー!!」
こんなんだから誰も私が本気で先生のことすきだなんて思っちゃいない。
まぁ、そっちの方が都合がいい。どうせ叶わない恋なのだから・・・



―キーンコーンカーンコーン…―
「莉奈、さっきのだけど・・・今日放課後空いてる?」
「うん?空いてるよ♪」
「莉奈ぁーっ!石田先生が呼んでるよー!!!」
「きゃぁー!まじ!?すぐ行くっ!!」
―ギュッ…
―――え?
「ど・・・したの?智希・・・?」
「莉奈・・・俺のとこずっといてくれるよな?」
急に真剣になって言う智希。
先生が1番すきだけど・・・。
「あ、あったりまえじゃん!何言ってんの?」
「そー・・・だなっ、ごめんな?」
そうしてクシャクシャって私の頭をなでた。
智希の癖。
「うぅんっ、じゃ、行ってくるねー☆」
そしてバイバイって手を振った。