冥王星

下の工房から宿舎までは
かなり距離がある。

宿舎についた頃は
みな眠りについていた。

横になってまもなくすると、
誰か部屋に入ってきた。

又三郎だった。

静かに二段ベッドのはしごを
昇ってきて、
俺にくちづけをした。

非常に情欲に満ちた
くちづけであった。

俺はベッドを降り、
部屋の外に又三郎を連れ出した。

「又三郎、消灯時間後はだめだ。
おまえ、ニコルと同じ部屋だろう?」

「ニコル寝てるもの。」

「あいつはこれ以上問題を
起こしたくないから過敏になってる。」

俺の話を聴いているのか
いないのか、
又三郎は激しく求めるように
俺の頬や首筋に吸い付いてくる。

俺の胸や腹にしがみつきながら
次第に又三郎は体勢を低くしていき
摩羅をつかんだ。

俺の寝間着のすそからもぐりこんで
摩羅を口に含んだ。

寝間着の上から、
上下する又三郎の頭を自分に
引き寄せるようにつかんだ。

すぐに射精した。

又三郎は俺の精液を飲み込んだ。

又三郎が俺の寝間着のすそから
現れた。

俺は廊下の壁にもたれた。
又三郎は俺の股間にもたれて
俺の下半身を抱いていた。

「だめだよ。又三郎、
ここでこんなことしちゃあ。」

「がまんできなくて。朝からずっと。」

又三郎の目は潤んでいた。

俺は手を引っ張って
又三郎を立たせた。

「安息日にゆっくり会おうよ。」

俺は又三郎の頬に
指の甲をすべらせた。

「わかった。」

「早く部屋へ戻りな。」

「おやすみね。」

「おやすみ。」


俺が自分のベッドに戻ると、
下段から声がきこえた。
トラビスだ。

「おまえ、愛されてるな。」

「起こしちゃったか」

「ここの連中は、みんな
又三郎をものにしたいと思ってる。

その中でおまえが選ばれた。
幸せな男だな。」

「俺は道化師なんてやってたから。
当時のあいつからしたら
印象的だったんだろう。」

「そうだな。恋は幻影だ。
それを本物の愛情に発展させるのは
本人しだいだな。」

「幻影。」

それきり会話は途絶えた。