そんなことを繰り返してる間に、
工房の扉が開いた。
又三郎がゲドウの朝食を
運んできたのだ。
時計は午前六時少し前だった。
「ミゲーレ、モデルやってんだね。
早く上がってきなよ。
朝食だよ。」
又三郎はぞんざいに
ゲドウの朝飯を机に置きながら言った。
その声は非常に快活だった。
又三郎は忙しそうにその場を去ろうとした。
俺は又三郎を追いかけて廊下へ出た。
「馬鹿、動くんじゃない。」
後ろにゲドウの声が聞こえたが
工房の扉を閉めた。
そして又三郎に抱きついてくちづけした。
俺は急に欲情した。
「ミゲーレ、だめだよ。早く戻らなくちゃ。」
又三郎は俺を振りほどいて
階段を昇っていった。
気づくと、ゲドウが、無表情に
一部始終を見ていた。
俺は恥ずかしくなった。
黙ったまま、工房に戻り、
着替えた。
ゲドウは飯を食い始めていた。
「じゃあ、また夜に来るわ。」
「たのむぞ。」
又三郎が俺にこのような態度を
とったのは初めてで、
少し驚いた。
だが当たり前なのだ。
まさに今、
厨房は戦場のような状態だろう。
そして現れた又三郎に
自制がきかなくなった自分が
情けなかった。
自分自身が居心地悪い。
そんな重い足取りで階段を昇って、
食堂へ行った。
工房の扉が開いた。
又三郎がゲドウの朝食を
運んできたのだ。
時計は午前六時少し前だった。
「ミゲーレ、モデルやってんだね。
早く上がってきなよ。
朝食だよ。」
又三郎はぞんざいに
ゲドウの朝飯を机に置きながら言った。
その声は非常に快活だった。
又三郎は忙しそうにその場を去ろうとした。
俺は又三郎を追いかけて廊下へ出た。
「馬鹿、動くんじゃない。」
後ろにゲドウの声が聞こえたが
工房の扉を閉めた。
そして又三郎に抱きついてくちづけした。
俺は急に欲情した。
「ミゲーレ、だめだよ。早く戻らなくちゃ。」
又三郎は俺を振りほどいて
階段を昇っていった。
気づくと、ゲドウが、無表情に
一部始終を見ていた。
俺は恥ずかしくなった。
黙ったまま、工房に戻り、
着替えた。
ゲドウは飯を食い始めていた。
「じゃあ、また夜に来るわ。」
「たのむぞ。」
又三郎が俺にこのような態度を
とったのは初めてで、
少し驚いた。
だが当たり前なのだ。
まさに今、
厨房は戦場のような状態だろう。
そして現れた又三郎に
自制がきかなくなった自分が
情けなかった。
自分自身が居心地悪い。
そんな重い足取りで階段を昇って、
食堂へ行った。

