「ありがとうな。会いに来てくれて。
初給料をはたいてまで。」

「僕ミゲーレのこと、ずっと好きだったよ。
一番最初に、道化師としてここに来たときから。
好きだった。
でも、もう二度と会えないんだって思ってた。

そしたらしばらくして、ミゲーレがここに来た。
修道士として。

もう、夢なんじゃないかって、すごくうれしくて。」

「そうだったんだ。」

俺の腕の中で又三郎は震えている。

「寒い?」

「ううん。」

窓に水分を含んだ雪がたたきつけられている。

俺はくちづけをした。
唇をそっとはがしたとき、
又三郎は閉じていた目をうっすらとひらいた。
その瞳がつよく求めていた。

俺の頭は完全にいかれた。

お互いローブを脱いで裸になり
抱き合った。
摩羅に吸い付き合った。

「お尻に入れてくれる?」

又三郎は
含んでいた
俺の摩羅を
口から出して言った。

「今までに、したことは?」

「ないよ。」

「じゃあ、痛いぞ。」

又三郎は手を伸ばして、
脱ぎ捨てた自分のローブを探っている。
そしてローブのポケットから
小瓶を取り出した。

「何それ?」

俺は小瓶を受け取ってふたを開けてみた。
オリーヴの香りがした。

「油だよ。」

「俺は口でしてもらうほうが好きだから、
無理しなくてもいいよ。」

「僕がしてほしい。」

そう言って腰を突き出すので、
尻の穴を探ってみた。

硬く閉ざされていて、
とても摩羅が入りそうにはない。

油を垂らしてみる。

「冷たい。」

時間をかけて指で押し広げていった。
俺は自分でしごいて硬くしてから
わずかに開いた穴に挿しこんだ。

又三郎は痛みで叫び声をあげた。

遠くで、地鳴りがした。
海を覆っている氷にひびが入ったようだ。

少しずつ侵入していくと、
征服の快感に満たされていく。