懺悔室というのは
人一人がやっと入れる小さな部屋だ。

そんな小さな部屋が二つくっついていて、
片方には司祭が入り、
もう片方には懺悔する者が入る。

二つの部屋の接合する壁には
たくさんの小さな穴が開いていて
顔を見ずに話すことができる。

つまり、お互いの素性を明かさず、
匿名性が守られるのだ。

司祭は神の代理人として
懺悔を聴く。

しかし、この小さな共同体の中のことだ。
誰だかすぐにわかってしまう。


「どうして又三郎をなぐっちゃったのかしら?」

特徴のあるしゃべり方と声。
オギ副院長だ。

「なぜなんでしょう。」