冥王星

トラビス助祭は、たんたんと人々に聖体をさずけていたが、
ロマ人の少女の順番が近づくにつれ、
その横顔には緊張が見えた。

そして少女がトラビスの前に立ったとき、少女が口をあけた。
トラビスの手は震えている。

トラビスの指が聖体を少女の口の中に入れたとき、
少女はトラビスを見つめたまま、口を閉じた。

トラビスはあわてて少女の口から指を引き抜いた。

この一連の光景を見ていた俺の摩羅は硬くなっていた。

この二人の間にはただならぬ関係がある。

少女のすぐ後には母親がいた。
母親は手のひらに聖体をいただいた後、
トラビスにするどい眼光を残し、去った。