熱い。
だが俺は
ニカイアから髪を
引きはがそうとする。
俺の皮膚は焼かれている。
そんな中、頭の中では、
断片的な場面が
現れては消えていった。
夕べの、
ニカイアが
自分の父親からの手紙を
引き裂いていた姿。
そのときの、
恐ろしい微笑み。
厨房で、
騎士としての父親も、
騎士を目指していた自分も、
死んだと語っていたニカイア。
死への欲動だ。
この化け物は
ニカイアの
死への欲動なんだ。
ニカイアの髪は
ニカイアの首を
ふたたび締め上げる。
俺は、化け物ではなく、
ニカイア自身に
攻撃魔法を使った。
ニカイアのあばら骨を
二、三本爆発させて
やったのだ。
すると、化け物は急に弱り、
ニカイアの
首を締め上げていた
腕をゆるませた。
ニカイアは血に染まった
胸を押さえ、苦しんだ。
「ミゲーレ、何したの?」
遠くで又三郎の声が聞こえる。
「ニカイア、
俺の声が聞こえるか?」
ニカイアはあえぎながら、
なんとかうなづいた。
「おまえが
やろうとしていることは、
父親の代理死だぞ。
わかっているのか?」
ニカイアは血を吐いた。
あばら骨が
肺に刺さったんだ。
そのあと俺を睨めた。
「騎士として
死ねなかった
父親の代わりに、
おまえが死のうってのか。」
その瞬間
化け物が炎をあげ輝いた。
そしてニカイアに
とどめを刺すべく
首に絡みついている髪が
かたく絞まっていく。
ニカイアがうめいた。
「ニカイア!」
俺は大声で呼んだ。
俺は締め付ける髪を
つかんでいる
ニカイアの手を取った。
そして砕けて肉を
突き破って飛び出ている
あばら骨に触れさせた。
ニカイアが痛みで
声を上げた。
だが俺は
ニカイアから髪を
引きはがそうとする。
俺の皮膚は焼かれている。
そんな中、頭の中では、
断片的な場面が
現れては消えていった。
夕べの、
ニカイアが
自分の父親からの手紙を
引き裂いていた姿。
そのときの、
恐ろしい微笑み。
厨房で、
騎士としての父親も、
騎士を目指していた自分も、
死んだと語っていたニカイア。
死への欲動だ。
この化け物は
ニカイアの
死への欲動なんだ。
ニカイアの髪は
ニカイアの首を
ふたたび締め上げる。
俺は、化け物ではなく、
ニカイア自身に
攻撃魔法を使った。
ニカイアのあばら骨を
二、三本爆発させて
やったのだ。
すると、化け物は急に弱り、
ニカイアの
首を締め上げていた
腕をゆるませた。
ニカイアは血に染まった
胸を押さえ、苦しんだ。
「ミゲーレ、何したの?」
遠くで又三郎の声が聞こえる。
「ニカイア、
俺の声が聞こえるか?」
ニカイアはあえぎながら、
なんとかうなづいた。
「おまえが
やろうとしていることは、
父親の代理死だぞ。
わかっているのか?」
ニカイアは血を吐いた。
あばら骨が
肺に刺さったんだ。
そのあと俺を睨めた。
「騎士として
死ねなかった
父親の代わりに、
おまえが死のうってのか。」
その瞬間
化け物が炎をあげ輝いた。
そしてニカイアに
とどめを刺すべく
首に絡みついている髪が
かたく絞まっていく。
ニカイアがうめいた。
「ニカイア!」
俺は大声で呼んだ。
俺は締め付ける髪を
つかんでいる
ニカイアの手を取った。
そして砕けて肉を
突き破って飛び出ている
あばら骨に触れさせた。
ニカイアが痛みで
声を上げた。

