化け物は俺を無視して、
まっすぐに
ニカイアのもとに行った。
そして
ニカイアの首を締め上げた。
化け物は巨大化した。
天井にてっぺんが
着きそうだ。
ニカイアの体は
高く吊り上げられた。
「やめろ!」
ニコルが叫んで、
化け物に対して攻撃した。
それでも化け物には通用せず、
首を締め上げられる
ニカイアの足は
苦しみにもだえ空を蹴っていた。
魔法が
通用しないと見たニコルは
自分の寝床にしまっていた
剣を取り出してきた。
両手に剣をもち、ぶん回した。
化け物の下半身が
ぶった切られた。
化け物の拘束をとかれ、
ニカイアが落ちてきた。
「ニカイア」
俺は床に転がっている
ニカイアに駆け寄った。
ニカイアは顔を赤くして、
苦しそうにあえいでいた。
ニコルは剣をかまえていた。
さっき
ぶった切った化け物の体は、
無数の銀色の筋が
再び集まりだし、
結びつき、
また元通りになった。
数回、
ニコルは剣を振るったが、
同じことの繰り返しだった。
あの、銀色の光る筋、
あれは髪の毛じゃないか?
無数の髪の毛が
集まり束になり、
筋肉のように動いている。
俺は自分の目の前に
倒れている
ニカイアの髪を見た。
俺がしっかりと
編みこんでおいた
ニカイアの髪が、
ほどけかかっている。
見る間に
ニカイアの髪はほどけていき、
化け物に呼応するように、
化け物を呼び寄せるように、
その方向へゆらゆらと
うごめき始めた。
化け物の
無数の筋でできた腕と、
ニカイアの頭髪が、
一体化した。
もはや人らしい形を
とどめていない
化け物に向かって俺は言った。
「おまえは、ニカイアか?」
そうだ。
俺が切り落とした、
ニカイアの髪だ。
ニカイアが
古木の根元に埋めていた。
その古木でロメオが縊れた。
切り落としたニカイアの髪が、
生命を宿して、
そのニカイア自身を
殺しに来たんだ。
化け物は再び銀の髪の束を
ニカイアの首にのばしてきた。
「やめろ。やめろ。」
俺は非力な自分の手で、
その髪の束を
引きはがそうとする。
無駄な行為だ。
ニコルが火炎魔法を使って、
化け物を焼き尽くそうとする。
だが化け物の
放つ白い炎のほうが、
なお高温らしかった。
化け物の腕が
ニコルに伸びて、
ニコルはぶっ飛ばされた。
まっすぐに
ニカイアのもとに行った。
そして
ニカイアの首を締め上げた。
化け物は巨大化した。
天井にてっぺんが
着きそうだ。
ニカイアの体は
高く吊り上げられた。
「やめろ!」
ニコルが叫んで、
化け物に対して攻撃した。
それでも化け物には通用せず、
首を締め上げられる
ニカイアの足は
苦しみにもだえ空を蹴っていた。
魔法が
通用しないと見たニコルは
自分の寝床にしまっていた
剣を取り出してきた。
両手に剣をもち、ぶん回した。
化け物の下半身が
ぶった切られた。
化け物の拘束をとかれ、
ニカイアが落ちてきた。
「ニカイア」
俺は床に転がっている
ニカイアに駆け寄った。
ニカイアは顔を赤くして、
苦しそうにあえいでいた。
ニコルは剣をかまえていた。
さっき
ぶった切った化け物の体は、
無数の銀色の筋が
再び集まりだし、
結びつき、
また元通りになった。
数回、
ニコルは剣を振るったが、
同じことの繰り返しだった。
あの、銀色の光る筋、
あれは髪の毛じゃないか?
無数の髪の毛が
集まり束になり、
筋肉のように動いている。
俺は自分の目の前に
倒れている
ニカイアの髪を見た。
俺がしっかりと
編みこんでおいた
ニカイアの髪が、
ほどけかかっている。
見る間に
ニカイアの髪はほどけていき、
化け物に呼応するように、
化け物を呼び寄せるように、
その方向へゆらゆらと
うごめき始めた。
化け物の
無数の筋でできた腕と、
ニカイアの頭髪が、
一体化した。
もはや人らしい形を
とどめていない
化け物に向かって俺は言った。
「おまえは、ニカイアか?」
そうだ。
俺が切り落とした、
ニカイアの髪だ。
ニカイアが
古木の根元に埋めていた。
その古木でロメオが縊れた。
切り落としたニカイアの髪が、
生命を宿して、
そのニカイア自身を
殺しに来たんだ。
化け物は再び銀の髪の束を
ニカイアの首にのばしてきた。
「やめろ。やめろ。」
俺は非力な自分の手で、
その髪の束を
引きはがそうとする。
無駄な行為だ。
ニコルが火炎魔法を使って、
化け物を焼き尽くそうとする。
だが化け物の
放つ白い炎のほうが、
なお高温らしかった。
化け物の腕が
ニコルに伸びて、
ニコルはぶっ飛ばされた。

