ものがこげている
においがする。
そして、
大きな音がして目が覚めた。
寝室の壁が燃えている。
白い炎だ。
まぶしく光る。
いや、
壁が燃えてるんじゃないよ、
石を積んで作った壁に、
でっかい穴があいてる。
石壁が
音を立てて崩れている。
そこに何者かが立っている。
そいつが白く燃えているんだ。
まぶしくて、実体がよく見えない。
ニコルが起き上がり、
光の前に立ちはだかった。
俺と又三郎は転がるように
ベッドからおりた。
又三郎は俺の影に隠れた。
「なに?!」
他の部屋からも人が
集まってきた。
一体何事なんだ?
そのうちに、
白い炎が部屋に
燃え移ってきた。
「部屋に
入ってくるんじゃないぞ。」
ニコルは宿舎の連中に
大声で言った。
そして凍結の呪文を唱えた。
その場に、
冷たい凍った風が
吹きぬけた。
白い炎は一瞬勢力を弱めた。
その瞬間、
炎をはなっていた実体が見えた。
それは、
人のような形をしていた。
無数の、銀色の筋が集まって、
まるで人の筋肉のように、
形を成している。
上部は、
人の胸筋のように
集まった束から
二つに別れ、
まるで腕のように
前後に揺れている。
下部は、
人の二本の足のように伸び、
地面に張り付いて
上体を支えていた。
頭も顔もなかった。
「化け物だ!!」
又三郎が言った。
化け物は進軍を始めた。
俺たちの寝室にゆらゆらと
入り込んできた。
その間も、ニコルは
凍結呪文を唱えている。
炎は吹雪に
掻き消えそうになるが、
実体の銀色の束は
びくともしない。
化け物の腕が
すばやく伸びて
ニカイアの寝ている
二段ベッドの柱を壊した。
並んだ二本の柱が
いっぺんに折れ、
ニカイアはベッドから
滑り落ちた。
その際、顔を打ち
怪我をしたようだった。
トラビスが
部屋に入ってきて、
ニカイアの様子を見た。
すると、化け物の腕は
今度はトラビスに
襲いかかった。
すごい勢いで
トラビスを跳ね飛ばし、
トラビスは部屋の壁に
叩きつけられた。
そのまま気を失った。
「トラビス!」
ニコルが叫んだ。
再び部屋は白い炎に
包まれ始めた。
せむしや、他の仲間が、
失神したトラビスを
安全な場所に避難させた。
俺は化け物に歩み寄った。
「おまえは誰だ?」
たずねたが、
頭も顔もないんじゃ、
答えることもできないよな。
においがする。
そして、
大きな音がして目が覚めた。
寝室の壁が燃えている。
白い炎だ。
まぶしく光る。
いや、
壁が燃えてるんじゃないよ、
石を積んで作った壁に、
でっかい穴があいてる。
石壁が
音を立てて崩れている。
そこに何者かが立っている。
そいつが白く燃えているんだ。
まぶしくて、実体がよく見えない。
ニコルが起き上がり、
光の前に立ちはだかった。
俺と又三郎は転がるように
ベッドからおりた。
又三郎は俺の影に隠れた。
「なに?!」
他の部屋からも人が
集まってきた。
一体何事なんだ?
そのうちに、
白い炎が部屋に
燃え移ってきた。
「部屋に
入ってくるんじゃないぞ。」
ニコルは宿舎の連中に
大声で言った。
そして凍結の呪文を唱えた。
その場に、
冷たい凍った風が
吹きぬけた。
白い炎は一瞬勢力を弱めた。
その瞬間、
炎をはなっていた実体が見えた。
それは、
人のような形をしていた。
無数の、銀色の筋が集まって、
まるで人の筋肉のように、
形を成している。
上部は、
人の胸筋のように
集まった束から
二つに別れ、
まるで腕のように
前後に揺れている。
下部は、
人の二本の足のように伸び、
地面に張り付いて
上体を支えていた。
頭も顔もなかった。
「化け物だ!!」
又三郎が言った。
化け物は進軍を始めた。
俺たちの寝室にゆらゆらと
入り込んできた。
その間も、ニコルは
凍結呪文を唱えている。
炎は吹雪に
掻き消えそうになるが、
実体の銀色の束は
びくともしない。
化け物の腕が
すばやく伸びて
ニカイアの寝ている
二段ベッドの柱を壊した。
並んだ二本の柱が
いっぺんに折れ、
ニカイアはベッドから
滑り落ちた。
その際、顔を打ち
怪我をしたようだった。
トラビスが
部屋に入ってきて、
ニカイアの様子を見た。
すると、化け物の腕は
今度はトラビスに
襲いかかった。
すごい勢いで
トラビスを跳ね飛ばし、
トラビスは部屋の壁に
叩きつけられた。
そのまま気を失った。
「トラビス!」
ニコルが叫んだ。
再び部屋は白い炎に
包まれ始めた。
せむしや、他の仲間が、
失神したトラビスを
安全な場所に避難させた。
俺は化け物に歩み寄った。
「おまえは誰だ?」
たずねたが、
頭も顔もないんじゃ、
答えることもできないよな。

