昼飯はよりによって、
猪の臓物の
トマト煮込みだった。
思わず、ロメオの縊死体が
まぶたに浮かんでしまう。
俺は喰う気がしなくて、
パンとスープだけ
取ってきた。
ニカイアのやつは
臓物の煮込みを
皿ごと持って
口の中に流し込んでいた。
「うまい。これうまいよ!」
口の周りは
トマトソースだらけだ。
さっそくおかわりを
もらいに行った。
「よく食えるよな。
こんなときに。」
俺のそばでせむしが言った。
せむしもろくに食べていない。
ニコルは食堂に
姿も見せなかった。
夜の祈りの時間。
小さな礼拝堂で、みな祈った。
オーベール師も、
オギ副院長も、ニコルも、
黙想していた。
ニコルは今朝まで
黙想すらすることもできず、
呆然としたままだったが、
今は目を閉じ、
両手を合わせていた。
ニカイアはここには居ない。
ニカイアはどこでどんな風に
過ごしているのだろうか。
俺はニカイアを捜した。
宿舎に行ってみたがいない。
大聖堂にもいない。
空中回廊に行ってみたが
やはりいなかった。
厨房から、
食器が重なり合う音と、
水の音が聞こえてくる。
夕食の片付けを
しているのだ。
厨房に足を向けてみた。
すると、厨房の中で、
何か食っている
ニカイアの姿があった。
俺は初めて、
厨房の中に
足を踏み入れた。
猪の臓物の
トマト煮込みだった。
思わず、ロメオの縊死体が
まぶたに浮かんでしまう。
俺は喰う気がしなくて、
パンとスープだけ
取ってきた。
ニカイアのやつは
臓物の煮込みを
皿ごと持って
口の中に流し込んでいた。
「うまい。これうまいよ!」
口の周りは
トマトソースだらけだ。
さっそくおかわりを
もらいに行った。
「よく食えるよな。
こんなときに。」
俺のそばでせむしが言った。
せむしもろくに食べていない。
ニコルは食堂に
姿も見せなかった。
夜の祈りの時間。
小さな礼拝堂で、みな祈った。
オーベール師も、
オギ副院長も、ニコルも、
黙想していた。
ニコルは今朝まで
黙想すらすることもできず、
呆然としたままだったが、
今は目を閉じ、
両手を合わせていた。
ニカイアはここには居ない。
ニカイアはどこでどんな風に
過ごしているのだろうか。
俺はニカイアを捜した。
宿舎に行ってみたがいない。
大聖堂にもいない。
空中回廊に行ってみたが
やはりいなかった。
厨房から、
食器が重なり合う音と、
水の音が聞こえてくる。
夕食の片付けを
しているのだ。
厨房に足を向けてみた。
すると、厨房の中で、
何か食っている
ニカイアの姿があった。
俺は初めて、
厨房の中に
足を踏み入れた。

