「それは、
誰にもわからない。」
俺が答えた。
「ニコル、ロメオって、
どんな経歴なの?」
ニカイアが言った。
しばらく間があいて、
ニコルがくぐもった声で
話し始めた。
「ロメオは、ロマリアの北の、
ヴェロンナ出身の・・・」
記憶をたぐり寄せようと
しているようだ。
それを待たずに
ニカイアがついで質問した。
「いつからここに居たの?」
またも少しの間があった。
「はっきりと覚えていない。
とにかく、
俺たちよりずっと前から
ここに居たんだ。」
「へえ。ニコルでも
わからないことも
あるんだね。」
ニコルは何も言わなかった。
ニカイアは続けた。
「ロメオはニコルより、
ずっと前から
あの仕事してたのに、
いつもニコルに
怒られてばかりだったね。」
俺は黙って聞いていた。
ベッドの下段に
寝ているニコルから
鬱々とした気配が
立ち昇ってきた。
「だけどロメオは全然、
つらそうじゃなかったね。
いつもヘラヘラしてて。
なのにどうして
死んだんだろう?」
「つらそうな顔を
誰にも見せなかったから、
死んじゃったんじゃない?」
又三郎が言った。
「どういうこと?」
ニカイアが訊いた。
「つらそうにしてたら、
誰か気が付くだろう。
ロメオが苦しんでたこと。
そしたら助けてやれたのかも。」
又三郎は俺の腕に
顔を乗せたまま言った。
「又三郎も、ニコルも、
何も気付かなかったの?
この部屋で、一緒に寝起き
してたんだろう?」
しばらく、しんとした。
「僕、全くわからなかったな。
ロメオがそんなに
苦しんでたなんて。」
又三郎が言った。
「又三郎は、
ロメオと行動の時間帯が
ちがうからほとんど
話すこともなかったよな。」
ニコルが静かな声で言った。
「じゃあ、あなたは?ニコル。
隣に寝てて、何か異変に
気付くことはなかった?」
ニカイアが言った。
「わからなかった。」
ニコルが静かだが、
はっきりとした声で言った。
誰にもわからない。」
俺が答えた。
「ニコル、ロメオって、
どんな経歴なの?」
ニカイアが言った。
しばらく間があいて、
ニコルがくぐもった声で
話し始めた。
「ロメオは、ロマリアの北の、
ヴェロンナ出身の・・・」
記憶をたぐり寄せようと
しているようだ。
それを待たずに
ニカイアがついで質問した。
「いつからここに居たの?」
またも少しの間があった。
「はっきりと覚えていない。
とにかく、
俺たちよりずっと前から
ここに居たんだ。」
「へえ。ニコルでも
わからないことも
あるんだね。」
ニコルは何も言わなかった。
ニカイアは続けた。
「ロメオはニコルより、
ずっと前から
あの仕事してたのに、
いつもニコルに
怒られてばかりだったね。」
俺は黙って聞いていた。
ベッドの下段に
寝ているニコルから
鬱々とした気配が
立ち昇ってきた。
「だけどロメオは全然、
つらそうじゃなかったね。
いつもヘラヘラしてて。
なのにどうして
死んだんだろう?」
「つらそうな顔を
誰にも見せなかったから、
死んじゃったんじゃない?」
又三郎が言った。
「どういうこと?」
ニカイアが訊いた。
「つらそうにしてたら、
誰か気が付くだろう。
ロメオが苦しんでたこと。
そしたら助けてやれたのかも。」
又三郎は俺の腕に
顔を乗せたまま言った。
「又三郎も、ニコルも、
何も気付かなかったの?
この部屋で、一緒に寝起き
してたんだろう?」
しばらく、しんとした。
「僕、全くわからなかったな。
ロメオがそんなに
苦しんでたなんて。」
又三郎が言った。
「又三郎は、
ロメオと行動の時間帯が
ちがうからほとんど
話すこともなかったよな。」
ニコルが静かな声で言った。
「じゃあ、あなたは?ニコル。
隣に寝てて、何か異変に
気付くことはなかった?」
ニカイアが言った。
「わからなかった。」
ニコルが静かだが、
はっきりとした声で言った。

