俺が現場に戻ると
いつものように
ロメオがニコルに
叱られていた。
今日は
聖堂の正面入り口の
扉を取り付けるべきところに、
切り出した石を
積んでしまったらしい。
「ロメオ、あんたは、
この俺がここへ来る
ずっと前からこの仕事を
してるんじゃないのか?
俺はいつも同じこと
ばかりあんたに言ってる。
せめて一つくらいは
覚えてくれても
いいんじゃないか。」
ロメオはいつもどおりに
ヘラヘラ笑って
すいませんを連呼するだけだ。
ニコルには疲れの色が見えた。
そんな光景をニカイアは
間近で見ている。
「ニカイア、ロメオと
一緒に間違って積まれた
石をどかしてくれ。」
ニコルはニカイアに
指示を出すと、立ち去った。
俺は二人がまた余計な失敗を
しないように背後から見守った。
その時、珍しく、ニカイアが
自ら他人に話しかけたのだ。
「ロメオさんも、大変ですね。
年下の後輩にいつもどやされて。」
ニカイアがゆっくりゆっくりと
積まれた石を台車に
戻しながら言った。
「ははは。
馬鹿言っちゃいけねえや。」
そういってロメオは
ヘラヘラしているだけだった。
俺もその作業に手を貸した。
二人が動くよりもだいぶ
手早に次から次へと
石を台車に移しながら言った。
「ニコルは
ただ糞真面目なだけなんだ。
別に誰に対しても、
意地悪しようとか、
いじめようとか、
そういう風に思ってるわけじゃない。」
「へへへ。」
俺は真剣に言ったつもりだったが、
ロメオはただ薄ら笑うだけだった。
いつものように
ロメオがニコルに
叱られていた。
今日は
聖堂の正面入り口の
扉を取り付けるべきところに、
切り出した石を
積んでしまったらしい。
「ロメオ、あんたは、
この俺がここへ来る
ずっと前からこの仕事を
してるんじゃないのか?
俺はいつも同じこと
ばかりあんたに言ってる。
せめて一つくらいは
覚えてくれても
いいんじゃないか。」
ロメオはいつもどおりに
ヘラヘラ笑って
すいませんを連呼するだけだ。
ニコルには疲れの色が見えた。
そんな光景をニカイアは
間近で見ている。
「ニカイア、ロメオと
一緒に間違って積まれた
石をどかしてくれ。」
ニコルはニカイアに
指示を出すと、立ち去った。
俺は二人がまた余計な失敗を
しないように背後から見守った。
その時、珍しく、ニカイアが
自ら他人に話しかけたのだ。
「ロメオさんも、大変ですね。
年下の後輩にいつもどやされて。」
ニカイアがゆっくりゆっくりと
積まれた石を台車に
戻しながら言った。
「ははは。
馬鹿言っちゃいけねえや。」
そういってロメオは
ヘラヘラしているだけだった。
俺もその作業に手を貸した。
二人が動くよりもだいぶ
手早に次から次へと
石を台車に移しながら言った。
「ニコルは
ただ糞真面目なだけなんだ。
別に誰に対しても、
意地悪しようとか、
いじめようとか、
そういう風に思ってるわけじゃない。」
「へへへ。」
俺は真剣に言ったつもりだったが、
ロメオはただ薄ら笑うだけだった。

