冥王星

食堂で厨房の親方と
又三郎と俺とで話した。

「どうしたんだミゲーレ
馬鹿に早いじゃないか。」

「親方、頼みがあるんです。」

「なんだい?」

「こんど現場に
入ってくる若造に
栄養をつけさせたいんで
サンドイッチを
作ってもらいたいんです。」

「どういうこったい?」

又三郎が親方に
ニカイアの説明をした。

「それなら
そんなことしなくても、
その若造が食堂で食えば
いいだけのことだろう。」

「もちろん、
それが一番いいんですけど、
いろいろ問題を
抱えた奴みたいなんですよ。

あいつは今までほとんど
ひとかじりのパンしか
食ってこなかったんで、
とても労働に
耐えられる体に
成長してないんですよ。

俺はあいつが
16歳の誕生日を
迎えるまでに
一人前に仕込まなくちゃあ
ならないんです。」

親方は食堂の椅子に
腰掛けた。