見届けると、
俺とオギ副院長は
再び執務室に戻った。
「免許皆伝だわ。」
「はい。」
「あなたと又三郎の間で、
何かあったのかしら?」
「それは・・・・」
俺は言いよどんだ。
オギ副院長は辛抱強く待つ。
「その、誤解があり、
又三郎が俺を
攻撃しようとしたのです。
しかし、その時、
何も起こりませんでした。
かわりにその後、
私は何か自分に変化が
起こっていることに
気が付いたのです。」
「そうだったの。」
オギ副院長は
また手を組み、
額に当て、祈るような
格好になった。
「又三郎は
今まで一度として、
自分の意思で魔力を
使ったことはなかったわ。」
「はい。」
「それが、はじめて
意図的に、あなたを
攻撃しようとした。
その瞬間に、
又三郎の持つ
全ての魔力があなたに
移譲されたのだわ。」
「はい。」
「普通の人間なら、
あの強大な破壊力を
与えられたら、
内側から崩壊してしまう。
けれどあなたには、
ちゃんと受け皿があった。
注ぎ込まれた破壊力を
自分のものとして、
制御できる。」
「受け皿、ですか。」
「そうよ。」
「いつか、懺悔室で、
オギ先生が、俺は
自制ができるって
おっしゃいました。
ですが、俺は
自制なんてできてません。
相変わらず、
昔と一緒ですよ。
俺は弱いです。
嫉妬もするし、
欲望にも負けるし、
暴力はふるうし。」
「けれどあなたは、
そんな自分を自覚している。
自制とは、
自分の弱さを知って
はじめてできること。」
「はい。」
「あなたなら、
又三郎から移譲された
能力をうまく使っていけるわ。」
「又三郎に
魔力が戻ることは?」
「もう、
ないんじゃないかと
私は思う。
あの子には
つりあわない力だったんだわ。」
「そうですか。」
その夜は俺のベッドに
又三郎の来訪はなかった。
俺とオギ副院長は
再び執務室に戻った。
「免許皆伝だわ。」
「はい。」
「あなたと又三郎の間で、
何かあったのかしら?」
「それは・・・・」
俺は言いよどんだ。
オギ副院長は辛抱強く待つ。
「その、誤解があり、
又三郎が俺を
攻撃しようとしたのです。
しかし、その時、
何も起こりませんでした。
かわりにその後、
私は何か自分に変化が
起こっていることに
気が付いたのです。」
「そうだったの。」
オギ副院長は
また手を組み、
額に当て、祈るような
格好になった。
「又三郎は
今まで一度として、
自分の意思で魔力を
使ったことはなかったわ。」
「はい。」
「それが、はじめて
意図的に、あなたを
攻撃しようとした。
その瞬間に、
又三郎の持つ
全ての魔力があなたに
移譲されたのだわ。」
「はい。」
「普通の人間なら、
あの強大な破壊力を
与えられたら、
内側から崩壊してしまう。
けれどあなたには、
ちゃんと受け皿があった。
注ぎ込まれた破壊力を
自分のものとして、
制御できる。」
「受け皿、ですか。」
「そうよ。」
「いつか、懺悔室で、
オギ先生が、俺は
自制ができるって
おっしゃいました。
ですが、俺は
自制なんてできてません。
相変わらず、
昔と一緒ですよ。
俺は弱いです。
嫉妬もするし、
欲望にも負けるし、
暴力はふるうし。」
「けれどあなたは、
そんな自分を自覚している。
自制とは、
自分の弱さを知って
はじめてできること。」
「はい。」
「あなたなら、
又三郎から移譲された
能力をうまく使っていけるわ。」
「又三郎に
魔力が戻ることは?」
「もう、
ないんじゃないかと
私は思う。
あの子には
つりあわない力だったんだわ。」
「そうですか。」
その夜は俺のベッドに
又三郎の来訪はなかった。

