小さい頃からあこがれていた
「このかわいい絵本の世界に入りたいな、不思議の魔女さんが連れていってくれないかな?
お姫様になりたいな、王子様がむかえにきてくれないかな?」
いつもワクワクしながら考えていた
そんなこと考えて早10数年
私の名前は須々木美浦(スズキミホ)
もうさすがに現実に戻った、絵本の中なんか入れない
王子様も魔女もいない、そんなの空想の人物
ああ、暇だな
今日も私は町で暇つぶしをしていた
でも、たまに思い出してしまうんだ昔のことを・・・・
美浦「わああ!魔女さん!本当にこのお菓子くれるの?いいの?本当にいいの?」
魔女「ああ、いいともいいとも!食べすぎには注意するんじゃぞー!」
美浦「ありがとう!魔女さん!」

お母さん「あんたまた魔女ごっこなんかやってんの!?くだらない!いい?もう美浦は6歳
なのよ?そろそろ魔女ごっこも卒業しなさい」
美浦「本当に魔女はいるもん、ごっこなんかじゃないもん!お母さんの心がキレイじゃないから見えないんだよ!」
バシッ
お母さん「口答えする気!?いい加減にしなさい!おまえなんか生まれてこなければよかったのよ!おまえのせいで父さんは・・・父さんは!」

考えるだけでイライラする、あんなババアお母さんでもなんでもない
本当に心がキレイな子にしか見えないのだろうか、それなら私はもう見えるはずがないな
でも・・・少し照れくさいけど・・魔女様、どうか絵本の中に連れて行ってください
はは・・・アホくさ、くるわけないって思っているのにどうしても妄想の中に入りたくなる
ッ・・・!
まぶしい、この光は何だろう、何か心ちいい光
なんだかしあわせな気分
??「みんな!目開いた!」
…?誰?
??「本当だ!生きていたんだ!」
?「よかったぁ!」
小さな妖精・・・?そしてここはどこ?
童話の世界のような小さくてかわいいお部屋
なんだかここは見覚えがあるような、なんだかなつかしい。
??「目?さめたかしら?王女様!」
美浦「誰のことを言っているの?あなたたちは一体誰?」
??「ええっ!王女様は私たちの事をおぼえていないのですか?」
??「えーんショック」
?「昔の事だから忘れちゃったんだよー」
美浦「・・・あなたたち、お名前は?」