「……気になる事?………何ですか」
訝しげな表情でリストは訊いた。
キーツは顎に手を添えて何やら考えている。
「………それが…まだよく分かっていないのだが…。………これまで調べた情報によると…現在、アレスの使者は四部隊。ここ数年の過去を振り返っても、戦場に出て来たのは、第1、2、3、5、6部隊……。……第4部隊が、出て来ていない。と言うより、出て来てはいるが戦闘をしていない」
「………それ、俺も思ってた」
珍しく、考え込むオーウェン。
……誰も、この空白の第4部隊を見た事が無い。
「―――…要……なのかもしれませんね…」
アレスの使者にとって、第4部隊という存在は切り札なのかもしれない…。
「…姿も人数も戦闘能力も分かんねーんじゃな―……手の打ちようが無いな」
お手上げ―、とオーウェンは両手を高々と上げる。
「……とにかく………この第4部隊は特に要注意だ。……何が起こるか分からん。それらしい者と接触した際、姿だけ確認し、戦闘は避けろ」

