どうすれば、こんな呪いを解く事が出来るのだろうか。
どうすれば。
(………あの赤い……碑石か………)
口を固く閉ざした物言わぬ孤城に、今もひっそりと眠る碑石。
………元凶があれだとすれば………あれをどうにかすれば………。
………。
(……………どうにもならない……か)
城が開かぬ限り、どうする事も出来ない。
ただ……今は目の前の敵から、この荒れ果てた王無き国を守るのみ。不毛な事かもしれない。だが……出来る事など…………それしかないのだ。
(―――………先が見えないな……)
フフッ、と自嘲的な笑みを浮かべる。
もはや何も無い、荒廃した村から踵を返した。
―――瞬間、鞘に収めていた剣を目にも止まらぬ速さで背後に抜刀した。
ほんの僅かだったが……乱れの無い真っ直ぐな殺意を感じたのだ。
案の定、握り締めた剣には手応えがあった。振り返り様に剣を横凪ぎに払う。
背後にいたそれが視界に入った時………キーツは目を丸くした。
キーツが切り捨てたのは、先程殺した筈の…見覚えのある影だった。
……それがまた。

