亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~



「―――拘束しろ。念のため、両手両足な。着替えはアレクセイに任せる」


……勝手に指示を出すオーウェン。

リストは眉間にしわを寄せる。


「………お前…!」

「……もちろん最終的な処分はキーツに任せるさ。だがな、リスト………」


ほくそ笑んだオーウェンの顔がちらりと見えた。


「……お前は第3幹部で、俺は第2幹部だ。総団長が不在の時、全ての権限は俺にある。…………悪いな。お前に任せると、こちらのお嬢さんを殺しかねないからな?」


「………」

……憎らしげにオーウェンを見ていたが、リストはぐっと堪える様に奥歯を噛み締めた。

「さぁてと………」


オーウェンは改めてトウェインに向き直った。


パチン…と指を鳴らし、ぼそりと呟いた。








「………地下牢に放り込んどけ。………なるべく、丁重にな」