「―――拘束しろ。念のため、両手両足な。着替えはアレクセイに任せる」
……勝手に指示を出すオーウェン。
リストは眉間にしわを寄せる。
「………お前…!」
「……もちろん最終的な処分はキーツに任せるさ。だがな、リスト………」
ほくそ笑んだオーウェンの顔がちらりと見えた。
「……お前は第3幹部で、俺は第2幹部だ。総団長が不在の時、全ての権限は俺にある。…………悪いな。お前に任せると、こちらのお嬢さんを殺しかねないからな?」
「………」
……憎らしげにオーウェンを見ていたが、リストはぐっと堪える様に奥歯を噛み締めた。
「さぁてと………」
オーウェンは改めてトウェインに向き直った。
パチン…と指を鳴らし、ぼそりと呟いた。
「………地下牢に放り込んどけ。………なるべく、丁重にな」

