冷や汗をかきながらリストはトウェインの大胆な行為を中断させた。
周りは禁欲を押しつけられている可哀相な男だらけだというのに……そんな中………脱ぐ…?
目を逸らしたいけど逸らしたくない兵士達。
「お、お前ら見るな!!………おい女!!今すぐ服を着ろ!………オーウェ――――ン!!………何貴様はじっくり見てるんだ!!」
「………目の保養に」
「止めんかエロじじい!!」
「………下のズボンも毛皮を使っているのだが…」
「もうそれ以上脱ぐな!!絶対脱ぐな!!空気読め!!」
低レベルな騒動の中、一人まともなアレクセイは、無造作に散るブーツやら上着をせっせと拾いあげていく。
「……後で代わりの服をお持ち致しましょう」
やんわりとアレクセイは言い、軍服を丁寧にたたんだ。
ゼェゼェと肩で息をするリストを傍目に、オーウェンは羽織っていた上着をトウェインに投げてよこした。
「…季節はもう冬直前だ。風邪引かれても困るからな。……あんたの言い分はよく分かったよ。………んじゃあまぁ……こっちの好きにさせてもらうぜ」
始終にやにやしていたオーウェンは、急に笑みを引っ込めた。
後ろに控えていた兵士数人に目配せをする。

