――――…すっとしゃがみ、ロングブーツの紐を解き始めた。
「………」
解き終えるなり、トウェインは両足のブーツをその辺に放り投げる。
…真っ黒なブーツが無造作に転がった。
そして今度は、上着を締め付けているベルトを緩め………。
「………お取り込み中ごめん。………隊長さん…………何やってんの?」
オーウェンは静かに訊いてみた。
トウェインは何食わぬ顔でカチャカチャとベルトを外した。
「………アレスの使者が着ているこの灰色の軍服は、魔獣ライマンの毛皮で出来ている。これを着用しているからこそ、“闇溶け”が可能なのだ。よってただの凡人になるならば………簡単なことだ」
トウェインは無表情のまま、真剣な目で断言した。
「―――脱げばいい」
間。
「―――止めい止めい止めい止めい止め―――い!!」
顔を真っ赤にして、リストが目茶苦茶叫んだ。
周りの兵士達もなんだかわたわたしている。
トウェインは構わず上着を放り投げた。
上半身は白いブラウス姿となった。
「―――ぬ、ぬぬぬ脱ぐだと!?公衆の面前で…!」

