亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

普通ならまだ爆睡中である筈の男が現れた。

「―――オーウェン様が起きてる!?」

「しかも自分で起きてる!?」

「………奇跡だ!!」

なんとも失礼極まりない声が周りから聞こえてきた。


オーウェンは髪も結わず、腰のベルトもゆるゆるで、何も着ていない上半身に隊服の上着を羽織ってきたという、まさに起きたばかりのスタイルだったが、完全に起きている様だった。

大きな切れ長の目は、何故かウキウキと輝いている。


「……オーウェン様、おはよう御座います。今朝はまたお早い起床で…」

「………あったり前だ。こんなクソ面白いイベントを前に寝てられるかっての」

手慣れた様子で髪を三つ編みに編んでいくオーウェン。

あっという間に結び終え、オーウェンは目の前に佇むトウェインに改めて向き直った。



………その身長の高低差。あまりにも違い過ぎるため、トウェインはかなりの高い角度で見上げる形となる。


………しばらくオーウェンはトウェインをじろじろと観察していたが………にやり、と笑みを浮かべた。



「…………初めまして…だな?…お嬢さん。………一応幹部をしている、オーウェン=ヴァンニだ」

オーウェンは頭を下げ、紳士的な礼をした。