亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

三人姉妹の姫君は大切に育てられていた。

その頃、王族に反発する民衆が現れ始めていたため、国民の前に姫君を出す事は無かった。
姫がいるということも知らない民がいたほどだ。


―――長女が16になり、以前から婚約していた貴族の男と結婚する時がきた。

―――そんな時に、クーデターは起こった。


………幸せを迎えようとしていた王族。

幼い姫君達。


…………そんな彼等を、総隊長は虐殺した。






………戦争では………憎むべき者の事をあまり知ってはいけない。

………自分が、人であることに苦しむから。







―――………感情を……殺せ。






トウェインは目を閉じた。

………ああ…眠い。

………眠い。







………このまま…目が覚めなければいいのに。