………黙りこくってしまったトウェイン。
…こいつはすぐこうだ。空気が読めないと言うか…何と言うか…。
「………あー飲み過ぎた。……ちょっくら風に当たって来る」
ジスカは軍服の上着を肩に掛け、欠伸をしながら出て行った。
……自分以外…誰も居ない。
何となく、ごろんとソファに横になる。
………。
初めての襲撃が、こくこくと近付いて来る。………漸く、敵の大将を見る機会が訪れる。
………約六年も抵抗し、城を守り続けてきた奴は、どんな人間なのだろうか。
………そんなに価値があるのか?………あの城は。
………敵の目には、城はどう映っているのか。………今は亡き…王族。
―――昔、聞いた事がある。
狂王であるフェンネル王52世には、男児が生まれなかった。娘が一人だけだった。とある貴族の男を婿養子とし、婚約までしていたのだが………。
………狂った王は突然婚約破棄をさせ、男とその家系の人間を皆殺しにした。
別の貴族の男を強引に婿養子としたのだ。
しかし、二人の間に生まれたのは三人の姫。男児は生まれなかった。
それに加え…狂王亡き後、継ぐはずだった娘婿は病で亡くなり、半ば仕方無く、娘が王座についたのだという。
…こいつはすぐこうだ。空気が読めないと言うか…何と言うか…。
「………あー飲み過ぎた。……ちょっくら風に当たって来る」
ジスカは軍服の上着を肩に掛け、欠伸をしながら出て行った。
……自分以外…誰も居ない。
何となく、ごろんとソファに横になる。
………。
初めての襲撃が、こくこくと近付いて来る。………漸く、敵の大将を見る機会が訪れる。
………約六年も抵抗し、城を守り続けてきた奴は、どんな人間なのだろうか。
………そんなに価値があるのか?………あの城は。
………敵の目には、城はどう映っているのか。………今は亡き…王族。
―――昔、聞いた事がある。
狂王であるフェンネル王52世には、男児が生まれなかった。娘が一人だけだった。とある貴族の男を婿養子とし、婚約までしていたのだが………。
………狂った王は突然婚約破棄をさせ、男とその家系の人間を皆殺しにした。
別の貴族の男を強引に婿養子としたのだ。
しかし、二人の間に生まれたのは三人の姫。男児は生まれなかった。
それに加え…狂王亡き後、継ぐはずだった娘婿は病で亡くなり、半ば仕方無く、娘が王座についたのだという。

