亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

大きな真っ白な部屋。
長い長い螺旋状の階段。
話しかけて来る大人達。
姿は分からないけれど、二人の…何処か懐かしい女性の声。
ずっと後ろをついて来る純白の動物。


………誰かの………呼ぶ声。











トウェインは頭を押さえた。
総隊長はトウェインをじっと凝視しながら、時折不気味な笑みを浮かべた。



「…………………興味深い。………………記憶の覚醒は……………少しずつ進む様だな…………………何処まで思い出した…………?」



……楽しそうだった。
何が面白いのか。私を見て何故……笑うのか。




「…………教えて下さい……総隊長……………私は………………私は………出来れば信じたくない…私にはどうしても…自分の事とは思えません…………嘘であると……嘘であると言って下さい………」


トウェインはキッと顔を上げた。



「………私は………貴方に拾われたのではないのですか……!?」






……いくら記憶を辿っても………総隊長と出会う前の過去はうっすらとしていて……しかもどんどん消えていっているのだ。

代わりに、別の記憶が…知らない景色が少しずつ奥に流れて来る。

―――認めたくなどない。


しかし……。