何年も前からそこは荒れ果て、花畑など見る影も無くなっていた。 もう何も咲かないだろう。 そう思っていた。 そこに………………真っ白な花が一つ。 昔見た、あの………懐かしい……。 夢でも見ているのでは? ある筈が無いのに。 咲いている筈が無いのに。 足下でルアがクンクン鳴いている。 花の姿を懐かしむ様に、愛しく、鳴き声をあげる。 黒ずんだ大地の中で、陽光を浴びる真っ白な花弁。 簡単に折れてしまいそうな細い茎を真っ直ぐに伸ばし、ゆらゆらと風に揺れていた。