重いアカシック年代記の頁をバタリと閉じ、トウェインは脱力した様に、壁に寄り掛かってズルズルとその場に座り込んだ。

両手で膝を抱え、顔を埋めた。



………混乱…している。

頭の中の……整理がつかない。

















………私が…………ローアン?



………私が……?




……………幼い頃のあの記憶は?


あれは何なんだ?





私は………総隊長に拾われた孤児。


あの村で唯一生き残った………死に損ないの孤児。








………違うのか?


違うのか?





………総隊長……違うのですか?




「…………総隊…長………………………っ……!?………………」








ぐちゃぐちゃに混ざり合い、まどろむ記憶。

―――ぽつりぽつりと……知らない声が泡の様に浮かんできた。






いや………知らない声ではない。











知っている……のかもしれない。











―――……、もう10になるのだから……その大胆な好奇心を少し抑えてちょうだい。


―――あら、そんなことないわ。………は、走り回っている方が可愛いもの。ねぇ………。