トウェインはぎゅっと目を瞑った。
………下らない。こんな時に何を考えているのだ。
………まるで子供だ。
トウェインは“闇溶け”の状態のまま、滑らかな崖の斜面を漂った。
城壁の上を何匹ものワイオーンが歩き回っている。
まだ気付かれていない。
(………背後からの侵入…襲撃は困難か………………やはり正面から…………………………………………)
これは………夢の続きか?
トウェインは何度も瞬きを繰り返した。
しかし瞳に映るそれは消えることもなく……静かに微笑みかけてきた。
所々亀裂が入った城壁の隙間。そこから見える城壁内の石畳。
―――彼女がいた。
赤いドレスの、少女が。
―――…ローアンが。
ワイオーンやら兵士が見張る通路のど真ん中を、ローアンは軽快なステップで進んで行く。
………城の明りに照らされたその姿は透けている様に見えた。
………誰も気がつかない。………………幻?私にしか見えない…ただの幻だろうか?
小さな姿を目で追いながら、トウェインはその場から動けずにいた。
………下らない。こんな時に何を考えているのだ。
………まるで子供だ。
トウェインは“闇溶け”の状態のまま、滑らかな崖の斜面を漂った。
城壁の上を何匹ものワイオーンが歩き回っている。
まだ気付かれていない。
(………背後からの侵入…襲撃は困難か………………やはり正面から…………………………………………)
これは………夢の続きか?
トウェインは何度も瞬きを繰り返した。
しかし瞳に映るそれは消えることもなく……静かに微笑みかけてきた。
所々亀裂が入った城壁の隙間。そこから見える城壁内の石畳。
―――彼女がいた。
赤いドレスの、少女が。
―――…ローアンが。
ワイオーンやら兵士が見張る通路のど真ん中を、ローアンは軽快なステップで進んで行く。
………城の明りに照らされたその姿は透けている様に見えた。
………誰も気がつかない。………………幻?私にしか見えない…ただの幻だろうか?
小さな姿を目で追いながら、トウェインはその場から動けずにいた。

