「…………」
塔の窓から、トウェインは真下を見下ろしていた。
かなりハードで酷な訓練だ。
イブの方は、使い魔の蜘蛛まで出している。既に何人か噛まれたのか、痙攣して倒れている人影がちらほらと見える。
ダリルの方は…血生臭い状態だ。腕やら足を喪失して苦痛に呻く兵士の声、飛び散る鮮血。
………どちらも死と隣り合わせだ。
トウェインは自室へ向かい、固く冷たいベッドに身体を投げ出した。
最初から室内にいたトゥラが、鼻先を押しつけて甘えてきた。
「………今夜は偵察なんだ。少し寝かせてくれ………」
そっと頭を撫でた後、着替えもせずにトウェインは瞼を下ろした。
最近、あまり眠れない。
………夢も……ここ最近は見ていない。
…………。
重い身体が、空気の様に軽く感じた。
………気がつくとちゃんと立っていて………見回せばそこは、真っ白な世界。
……………ああ………またここだ。
……………夢………か。

