「今僕は…“闇入り”で彼の肩の細胞だけを分解している。とすると…僕が分解もせずに手を離すと………どうなるかは分かるね?………………肩が抉れることになるよね。だいぶグロテスクな傷口だ。血管や神経も中途半端に消えてるし…腐敗も早い。……腕一本では済まないことになる。これは拷問にもなかなか使えるから。………動かないでね。元に戻すから」
黒煙を纏ったダリルの手が、音も無く兵士の肩から出て来た。
兵士はその場で膝を付き、何とも言えない激しい疲労感に襲われていた。
「……“闇入り”は強引な技だ。やられた相手は、体力を大いに削られる。………こんなふうにね。接近戦においてこの“闇入り”があれば、かなり有利な立場になる。完璧にとは言えなくとも、今のくらいは出来る様に。闇を扱いこなせれば、闇自体を研ぎ澄ませて、見えない飛び道具にすることも出来る。さっき見せたろ?」
そう言ってダリルは短剣を抜き、ギラリと光る刀身にだけ“闇溶け”をかけた。
「……この状態の剣で斬ると、斬られた相手は“闇入り”をされたも同然。傷口がパックリだね。縫い合わせようにも繋ぐ皮膚が無い、輸血しようにも血管が無い。その前に、細胞が死んでる。……殺傷能力はまずまず」
黒煙を纏ったダリルの手が、音も無く兵士の肩から出て来た。
兵士はその場で膝を付き、何とも言えない激しい疲労感に襲われていた。
「……“闇入り”は強引な技だ。やられた相手は、体力を大いに削られる。………こんなふうにね。接近戦においてこの“闇入り”があれば、かなり有利な立場になる。完璧にとは言えなくとも、今のくらいは出来る様に。闇を扱いこなせれば、闇自体を研ぎ澄ませて、見えない飛び道具にすることも出来る。さっき見せたろ?」
そう言ってダリルは短剣を抜き、ギラリと光る刀身にだけ“闇溶け”をかけた。
「……この状態の剣で斬ると、斬られた相手は“闇入り”をされたも同然。傷口がパックリだね。縫い合わせようにも繋ぐ皮膚が無い、輸血しようにも血管が無い。その前に、細胞が死んでる。……殺傷能力はまずまず」

