「隊長―、素でやって良いですかぁ?」
「―――…お前がやる気なら、私は良い」
トウェインはイブの頭をポンッと叩きながら苦笑した。途端、イブは物凄く嬉しそうに笑った。
「えへへー。………隠す理由なんか無いかな―って思ったからね。…御意。んじゃあ好きにさせてもらいまーす」
イブは整列する兵士達の前に立ち、やはりくねくねしながら説明を始めた。
「えーっとぉ、皆の瞬発力、素早さ、対応能力、スタミナを見ると同時に向上させる、とっても良くて楽しい訓練を始めちゃいます!」
隣りにいるベルトークは何も言わない。全てイブに任せている様だった。
「題して……『恐怖!果たして最後は生きているのか!…な、鬼ごっこ』――!」
………鬼ごっこ?
全員が怪訝な表情を浮かべた。
「オーイエス!鬼ごっこだよ。皆様方が鬼。あたしは鬼から逃げる悲劇のヒロインね~。………1時間!1時間であたしを掴まえたら合格!“闇溶け”も武器も使用可能!どんな手を使ってでも生きたまま捕獲ね!ただ、あたしも反撃するから~」
冷や汗だらだらの兵士達。
「……むー…いまいち乗り気じゃないなぁ。……ご褒美あげちゃおう。先に捕まえた人には……マリアとの握手券!」

