亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~



奥にある総隊長の椅子は、相変わらず座る主がいなかった。

「…………次の襲撃まで、一ヶ月を切った。……前回よりも更に用意周到に………迅速にいかなければならない。……………仕切る人間が減った分、私達が補わなければならないからな」

ベルトークは無表情のまま、淡々と話を進める。

ジスカはちらりと、以前までゴーガンがいた椅子を一瞥した。


「………兵力編成についてですが、第2………元第2部隊の隊員、約80人は第1、第3部隊に配属させました。………なんとか落ち着いた様ですが……なーんかギクシャクしてますね。………仲良くさせます」

ベルトークとトウェインの威圧感のある視線を感じ取り、ジスカはあからさまに顔を背けた。

「………まあいい。…トウェイン……第4部隊はどうだ」

トウェインは姿勢を正した。

「………戦力は上がっています。時間を詰めた中での訓練で、だいぶ身体能力は向上したかと。………隊員のダリル=メイにおいては、“闇入り”をほぼ完全に習得しております」

「………凄ぇ…」

「………“闇入り”か。……………拷問にも使えるな。よろしい。………パラサイトの方はどうだ?」


……トウェインは一瞬、顔をしかめた。