亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

総隊長は、物静かで寡黙な男だった。

虚ろな青い瞳はいつも何処を見ているのか。独りの時は俯いて、誰も聞き取れないくらい小さな声で、何やら呟いている。
見た目も真っ白な長い髪で、ガタイは良いが細身で、音も無く歩く…。

まるで亡霊の様だったが、何故かその存在感は、ピリピリと空気が波打つほど大きく、そして恐ろしかった。


時たま見せる彼の微笑は、ゾッとするものがあった。











他人など興味が無い。他人など関係ない、という考えのゴーガンは、ほとんど衝動的に、この男に弟子入りした。


自分でも驚いた。

それほどこの男は、自分を動かす何かを秘めている気がしてならなかった。





………後から分かった事だったが、この先鋭部隊にはあのベルトークもいた。

しかも随分前に弟子入りしていたらしい。

………二番弟子、というのはあまり良い気はしなかったが。




弟子入りしてからは、総隊長が直々に鍛えてくれた。
…総隊長の鍛え方が優れているのか、あっと言う間に、二人の戦力は群を超えた。

それからは、ベルトークとゴーガン、そして総隊長の三人だけで、危険な任務をすることも度々あった。



先生、先生と、二人は総隊長を呼んだ。