亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

ベルトークの方は、全くゴーガンを気にしてなどいないようだった。そもそも知っているのか。


いつもいつも休憩時間は本を片手に読書をしている学者肌の男。

………あんなに華奢で弱そうな身体の何処から、あの様な凄まじい殺傷能力が出て来るのか。


ゴーガンは無意識で、ベルトークを警戒視していた。






………いけ好かないな。









入団して二年になった頃だろうか。


ベルトークの姿をあまり見なくなった。

訓練に欠かさず来ていた奴の姿がある日を境に忽然と消えた。


不思議に思ったが、特に気にしなかった。




入団二年目になると、それぞれの師団に配属される事になっていた。
これは上の人間が決める事だった。

配属された後は、各師団で仕事がある。
どの仕事も、やはり主は治安維持。村を回ったり、城の警備にあたったり………つまらないことばかり。

これから与えられるだろう、温い任務の数々を想像しながら、ゴーガンは配属される師団の通知を待った。











回りよりも何故か遅れて届いた通知には、予想していたどの師団の名前でもなかった。





師団は一から十まであったのだが………通知には、『0』とだけあった。