亡國の孤城 ~フェンネル・六年戦争~

「ゴーガン隊長!………お止め下さい!」この様なこと…!」

ゴーガンは自分よりも小さいトウェインを見下ろした。


………こんな……こんな小娘が……。





……………こんな拾ってきた…無力で弱いただの孤児が……。







………あのお方の眼中にいる?


………あの方の弟子として何年も仕えてきた俺が………こんな……こんな……小娘に。






「―――お前が一番……気に食わねぇ」


ゴーガンの異様に低い声。獣のごとき、爛々と光る双眸が、トウェインを捉えた。



…思わず、トウェインは体を震わせた。



「―――貴様が………!!…………貴様がなんで……!!」

ゴーガンはトウェインの手を振り払い、その細い体に蹴りをかました。

反射的に身構えたトウェインだったが、来る筈の衝撃は遮られた。

ゴーガンの重い蹴りは、いつの間にか割って入ったジスカが受けていた。

みぞおちにもろに入っていた。

ジスカは凄まじい反動で2メートルほど吹っ飛んだ。

「ジスカ!?」

腹部を押さえたまま倒れているジスカに、トウェインは慌てて駆け寄った。


「…………いっ………てぇ………くそっ…」

あまりの痛みに顔を歪ませるジスカ。