ゴーガンの目は本気だ。
ジスカとトウェインは弾かれた様に椅子から立ち上がった。
私闘は禁止されている。しかもこれはもっと悪い事に、隊内での私闘だ。
「………規定を破る気か?…………これは罰則ものだな」
「………うるせぇんだよ………規定だとか……掟だとか………俺にとっては何でもない………糞食らえだ!!」
ゴーガンはベルトークを突き飛ばした。
ベルトークはすぐに体勢を整え、低く構えた。
「………………全く持って……お前らしい考え方だ……ゴーガン」
にやりと笑いながら、ベルトークも、自身の長い細身の剣を出した。
………二人の間に、明らかな殺気が漂っていた。
この見ていられない状況に、トウェインとジスカはどうすればいいのか全く分からないでいた。
「…………気に食わねぇ………腹が立つんだよ…………………何もかも……!!」
ゴーガンは剣を構えた。
………風さえも鋭利な刃と化す、居合い斬りの構えだった。
……ゴーガンは横一直線に振りかざそうとした。
………が、その剛腕を、一回りも二回りも細い腕が掴んだ。
脇に目をやると、いつの間にかトウェインがいた。
ゴーガンの腕と剣の柄を、必死で押さえている。

